陰陽(教)師

若くて端正な顔立ちで、背が高い。

晴明のいる司書室には、休み時間のたびに多くの女生徒が訪れるようになった。

「先生には恋人はいるの?」

「好きな女性のタイプは?」

好奇心に満ちた女生徒たちの質問を、晴明は笑顔と大人の対応で受け流した。

結果、晴明の人気はさらに上がったのだが、面白くないのは鈴子である。

晴明には会ったその日に好意を持ってる事を伝えている。

晴明が学区内の怪事に対応する陰陽師だという秘密も知っている。

鈴子には、あたしと先生の関係は他の女のコたちとは違うのよ~という自負があるのだ。

それなのに現状は、その他大勢の女生徒の中に埋もれてしまっている。

そんな時、今日の昼休みに北館の屋上で最後の一人と顔合わせすると聞いた。

顔合わせの際、晴明は互いの正体が他の生徒にバレないようにと、結界をはる。

関係ない者がこの屋上に来ることはない。

チャーンス!と鈴子は思った。