陰陽(教)師

「たりめーだ!てか委員長!オメーも五徳猫だろうが!」

「失礼ね。あたしにノミなんているわけないでしょ」

「その失礼を最初に言ったのはどこのどいつだァ!?」

「それはともかく」

明菜は不毛な会話を一方的に打ち切った。

「今の鈴子の状態はほっとけないわね」

「そうは言ってもなぁ?」

嵩史は隣を歩く大吾を見上げた。

「要はなんか心当たりあるか?」

大吾の正体は要石。

人間として過ごした時間は他の2人と変わらないが、この世に生を受けてからの時間ははるかにしのぐ。

だが、

「病気のことはよくわからない」

と首を振った。

「というか、病気をしたことがない」

「なるほど」

嵩史は大吾のぶ厚い肉体を見ながらうなずいた。

「訊いたオレが間違っていた」

「それにしても、だ」

大吾は嵩史を無視しながら言った。

「木下は本当に先生のことが好きなんだな」

先生とは、彼らの副担任である晴明のことだ。