そのまま地面にアグラをかくと箱を置き、川太郎は宙に右手をかざした。
するとどこからともなく壺が現れた。
裏山にて、嵩史の毛針で負った傷を治すのに使った、あの壺だった。
川太郎は足で壺を抱え込むと、壺の中へ右手を突っ込んだ。
「それが河童の傷薬か」
引き抜いた右手にまとわりつく、ドロリとした液体を見た善吉が訊いた。
「そうだ」
川太郎は短く答えると、箱の中から左手を掴みとり、左腕の切断面に押しつけた。
右手の液体を塗りたくると、干からびていた左手は、みるみる内に生気を取り戻していった。
「河童の薬って、すごいんだ…」
「河童の薬に関する伝説は、全国各地に残っている」
鈴子の独り言を、大吾が拾った。
「山梨県には武田信玄の家来が河童に傷薬の作り方を教えてもらったという話が伝わっているし、秋田県には河童伝来の薬を売り歩いていた行商人がいたそうだ」
「河童の薬が実在してたってことか?」
するとどこからともなく壺が現れた。
裏山にて、嵩史の毛針で負った傷を治すのに使った、あの壺だった。
川太郎は足で壺を抱え込むと、壺の中へ右手を突っ込んだ。
「それが河童の傷薬か」
引き抜いた右手にまとわりつく、ドロリとした液体を見た善吉が訊いた。
「そうだ」
川太郎は短く答えると、箱の中から左手を掴みとり、左腕の切断面に押しつけた。
右手の液体を塗りたくると、干からびていた左手は、みるみる内に生気を取り戻していった。
「河童の薬って、すごいんだ…」
「河童の薬に関する伝説は、全国各地に残っている」
鈴子の独り言を、大吾が拾った。
「山梨県には武田信玄の家来が河童に傷薬の作り方を教えてもらったという話が伝わっているし、秋田県には河童伝来の薬を売り歩いていた行商人がいたそうだ」
「河童の薬が実在してたってことか?」

