陰陽(教)師

裏山で見せた、あの妖術を使おうとしていることは明白だった。

「みんな、伏せて!」

明菜は川太郎に視線を固定したまま、棒を一回転させた。

それは一瞬にして30センチほどの長さに縮まる。

明菜は棒を吹矢のように口もとにあて、構えた。

川太郎が塊を発射したのと、明菜が構えた棒の先端から炎が噴き出したのは同時だった。

両者はちょうど真ん中でぶつかり、爆音と衝撃があたりに響き渡った。

「使用人を全員、帰しておいて良かったわい!」

伏せたまま、善吉は叫んだ。

「なに今の!?」

鈴子と嵩史(猫)は大吾の背後に回っていた。

「もう一発くるぞ!」

川太郎を見た晴明が、全員に警戒を促した。

再び塊と炎がぶつかり、爆音と衝撃、そして水蒸気があたりに満ちた。

「川太郎が撃ち出したのは水の塊か?」

水蒸気を見ながら晴明が言った。

「高圧で水の塊を発射して、それが手榴弾並みの威力に…」

「河童って、ンなこともできるのか!?」