陰陽(教)師

晴明は苦笑した。

「確かにワシらは500年も生きられないからの」

善吉も同調する。

「お祖父さま、川太郎は人間が500年も生きられないことを知らなかったんでしょうか?」

明菜が真面目な顔で訊いてきた。

「川太郎が、どういうつもりで500年という歳月を受け入れたのかは、わからん」

善吉はヒゲを撫でた。

「じゃが、奴には奴だけの仁義があるのかもしれんな」

「ポリシーあんなら、いきなり襲いかかるなんてことしなきゃ良かったのに」

嵩史は恨みがましい声で言った。

「おかげでこっちはこのザマだ」

嵩史は先ほどからずっと鈴子に肉球を揉まれ続けていた。

抵抗する気は、完全に失せたようである。

「そう言うな、手を持ち出したワシにも責任はある」

善吉は首筋をぴしゃりと叩いた。

「まぁ、今度は穏便に話を進めたいのう」

「ぜひそうしてもらいてーな」

肉球を揉まれながら、嵩史はタメ息をついた。