1年と答えてもいいが、手を返した後で、この河童がまた悪事を働いたら?
何かの拍子で、手のことが世間に知れたら?
あの武士が手を返したせいで、河童がまた悪事を始めたという事になりはしないか?
それでは都合が悪い。
武士は思い切って500年と言ってみた。
「わかりました。500年でございますね」
川太郎はあっさりと受け入れた。
「ではきっかり500年後の酉の刻に、また伺います」
そう言って川太郎は姿を消した。
それ以来、武士の近辺で河童が悪さをしたという話は聞かれなくなったという。
「以上が手の由来じゃ」
善吉は広げた古文書を元に戻した。
「500年とはえらくふっかけたもんだな。それを受け入れた河童も河童だけどよ」
嵩史が呆れた様子で言った。
「妖怪にとって、500年はそれほど長くない」
腕組みをした大吾が口を開いた。
「じっと待っていれば過ぎ去ってゆく時間だ」
「納得はできないが、違うとも言えないな」
何かの拍子で、手のことが世間に知れたら?
あの武士が手を返したせいで、河童がまた悪事を始めたという事になりはしないか?
それでは都合が悪い。
武士は思い切って500年と言ってみた。
「わかりました。500年でございますね」
川太郎はあっさりと受け入れた。
「ではきっかり500年後の酉の刻に、また伺います」
そう言って川太郎は姿を消した。
それ以来、武士の近辺で河童が悪さをしたという話は聞かれなくなったという。
「以上が手の由来じゃ」
善吉は広げた古文書を元に戻した。
「500年とはえらくふっかけたもんだな。それを受け入れた河童も河童だけどよ」
嵩史が呆れた様子で言った。
「妖怪にとって、500年はそれほど長くない」
腕組みをした大吾が口を開いた。
「じっと待っていれば過ぎ去ってゆく時間だ」
「納得はできないが、違うとも言えないな」

