昨年のことである。
その旧家の当主を務めていた人物が亡くなった。
四十九日も終わり、親族が故人の遺品を整理していたところ、この手が見つかった。
手について、親族は故人から何も聞かされていなかった。
とても人間の手には見えない代物で、何とも薄気味悪い。
親族たちは相談の上で、地元の郷土史家へ手を譲り渡した。
「その郷土史家というのがワシの旧友でな。珍しい物が手に入ったと、手紙を寄越したんじゃ」
手紙に同封されていた手の写真を見た善吉は、大いに興味をそそられた。
「見た感じでは猿やカワウソの手には見えなかったのでな」
「猿やカワウソって?」
鈴子が首をかしげた。
「こういった妖怪のミイラってのは、別の動物たちを流用したものが多いんだ」
晴明は言った。
「江戸時代には猿のミイラの下半身に魚の胴体をくっつけたものが、人魚のミイラとして【輸出】されたことがある」
「そう言えばカラス天狗のミイラもあったね」
その旧家の当主を務めていた人物が亡くなった。
四十九日も終わり、親族が故人の遺品を整理していたところ、この手が見つかった。
手について、親族は故人から何も聞かされていなかった。
とても人間の手には見えない代物で、何とも薄気味悪い。
親族たちは相談の上で、地元の郷土史家へ手を譲り渡した。
「その郷土史家というのがワシの旧友でな。珍しい物が手に入ったと、手紙を寄越したんじゃ」
手紙に同封されていた手の写真を見た善吉は、大いに興味をそそられた。
「見た感じでは猿やカワウソの手には見えなかったのでな」
「猿やカワウソって?」
鈴子が首をかしげた。
「こういった妖怪のミイラってのは、別の動物たちを流用したものが多いんだ」
晴明は言った。
「江戸時代には猿のミイラの下半身に魚の胴体をくっつけたものが、人魚のミイラとして【輸出】されたことがある」
「そう言えばカラス天狗のミイラもあったね」

