陰陽(教)師

かたわらでは嵩史(猫)が座布団の上で横になっている。

「悪いな。少し遅れた」

晴明は鈴子と大吾の間に腰を降ろした。

「はい、先生」

鈴子は黒塗りの、陶器製の火鉢を晴明の前に滑らせた。

鈴子と嵩史の前にも同じ火鉢がある。

上座の善吉と明菜の間には木製の火鉢があり、部屋の隅にはファンヒーターが1台。

そのお陰で部屋は十分、暖かかった。

「全員そろったの」

善吉は一同を見渡した。

ジャケットとニッカボッカー姿から、茶色の和服姿になっている。

上には同色の丹前を羽織っていた。

善吉は立ち上がると、背後の板の間の天袋から、風呂敷包みをひとつ取り出した。

「見せたいものとはこれじゃ」

善吉が風呂敷包みを解くと、中から桐の箱が出てきた。

晴明らがのぞき込む中、善吉は箱の蓋を開けた。

「これは…」

明菜は息を呑んだ。

鈴子は目を丸くし、大吾は低く唸った。

ただ、晴明だけが表情を変えなかった。