陰陽(教)師

「変な意味で言ったつもりはないんだが」

「なら、真面目な顔で言わないで下さい」

明菜は背を向けると、さっさと歩き出した。

玄関を上がり、長い長い板張りの廊下を歩いていくと、やがて広い庭が見えてきた。

白砂を敷きつめ、5ヶ所に1個ずつ、無造作に庭石が置かれている。

庭の幅は20メートル、奥行きは10メートル程か。

「龍安寺の石庭みたいな庭だな」

「やめて下さい。龍安寺は世界遺産じゃないですか」

「だから変な意味ではないと…」

「うちの庭はただの庭です」

ぴしゃりとした明菜の物言いに、晴明は肩をすくめた。

「本気で言ったんだがな、さっきも今も」

晴明のつぶやきは、明菜の耳には届かなかった。


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明菜は庭に面した和室の障子戸を開けた。

8畳ほどの広間の中央に、善吉と鈴子たちが車座になって座っていた。

「先生、おそーい!」

鈴子が手を振った。