陰陽(教)師

なんでもPTAや教育委員会、はては地元マスコミの間でも

『五島家のする事なら仕方ない…』

と暗黙の了解ができているらしい。

「ご迷惑でしたか?」

「いいや、それにしても…」

晴明は明菜の姿を上から下まで眺めた。

「家ではいつもその恰好なのか?」

明菜は小豆色のジャージ姿であった。

左胸には杉沢東高校の校章が入っている。

つまり学校指定のジャージだ。

そして切り揃えた前髪の上に白い鉢巻きをして、長い後ろ髪はゴムでくくっていた。

「いつもはこんな恰好してません」

明菜はかすかに頬を赤くした。

「今日は大立ち回りがあるかもしれないので、こんな恰好をしているんです」

「だろうな」

晴明はうなずいた。

「しかし、なんだ」

口もとを引き締めた明菜を、晴明は再び上から下まで眺めた。

「五島の場合、ジャージ姿でも野暮ったく見えないな」

「先生」

明菜は晴明を睨んだ。

「生徒をからかわないで下さい」