陰陽(教)師

善吉は、嵩史をリュックの中に押し込んだ。

「うぎゃー!案の定、狭いし、臭いし!!」

嵩史は絶叫したが、誰も彼に同情しなかった。


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河童が姿を消した裏山の森。

そこにクスノキの大木があった。

川太郎と呼ばれた河童はそのクスノキに登って、幹に背を預けていた。

この辺りには人も足を踏み入れる。

が、一抱えもある幹からは多くの枝が伸び、こんもりと生い茂った葉が、河童の姿を隠していた。

河童、いや川太郎は己の左肩に触れた。

嵩史に打ち込まれた毛針を握る。

一呼吸おいてから、毛針を一気に引き抜いた。

「ー!!」

川太郎は声にならない叫びをあげ、苦悶の表情を浮かべた。

激痛に身をよじり、木から落ちそうになるのを懸命にこらえる。

川太郎は右手を掲げた。

するとそこに小さな壺が現れた。

川太郎は両足で壺を挟んで固定すると、フタを開けて、中に右手を突っ込んだ。