陰陽(教)師

「俺の左手を返さなければ、尻子玉は渡さん」

「…わかった。後でワシの家に取りに来い。家はわかるか?」

「貴様の匂いは覚えた」

河童はうなずいた。

「では酉の刻にそちらに行くぞ。約束は守れよ」

河童はそう言って背を向けると、森に向かって走り出した。

森の中にその姿が消えるまで、さほど時間はかからなかった。

しばらくして、明菜が悲鳴をあげた。

「み、三池君!?」

明菜はあわてて携帯電話を取り出す。

「せ、先生に連絡をしないと!」


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明菜から連絡を受けた晴明は、すぐに裏山に駆けつけた。

鈴子と大吾も一緒についてきた。

最初、明菜は取り乱していたが、状況を説明するうちに落ち着いてきた。

ところどころ善吉の補足を交えながら、事のあらましを語り終えた時には、いつもの委員長らしさを取り戻していた。

「なるほど、そんなことがあったのか」

晴明は腕組みをしながら言った。