「はぁ…。」

サンタは会社の机の周りを片付け終わり、一人屋上でため息をついた。

ユキダルマ星は年中真冬。

ついたため息は白く、フキダシみたいになって、サンタの気持ちを空へ返した。

「サンタくん。ため息?」

急に人の声がして振り向くとふんわりとした髪の少女がそこにいた。

「なんだサクラか。…だってさ、俺、地球に転勤なんだ…。」

サンタはまたまた大きなため息をつく。

「わかってるわ。でも地球ってステキなところなのよ。」

「………。」

彼女も昨年地球に行った一人でサンタの幼なじみだった。
幼なじみにまで笑顔で地球はステキだと言われても、サンタにはそれは信じられなかった。