潰れた同僚や先輩を送り届けた後、ポケットに収まる合鍵の感触を確かめた俺は雪で真っ白に染まった道を必死に歩いていた。

見る間に積もっていく雪がこのみへの道を閉ざしているみたいでどこか早足になる。

「はぁはぁっ」

このみのアパートに着いた時にはすっから息が上がっていた。
この時間に女の部屋の前ではぁはぁしてたらちょっとした変態さんである。俺はかじかむ手で急いでドアを開けた。

入った部屋はカーテン越しに雪が月の光を反射していて思っていた以上に明るかった。

その明るさをたよりに俺の目は布団におさまる愛しい愛しい彼女を捉える。