「違うの、聞いて優」
あたしはフフと笑ってその頬を撫でた。
「あたしが失恋したのはあなたにだよ。記憶を無くしてもあなたに一目惚れして、左手のリングに勝手に失恋したと思い込んだの」
「え?」
「どうやっても、あたしもあなたにしか恋出来ないみたい」
嫌という程理解出来る。手放せないのは、あたしも同じだ。
「別れよう、って言ったのは他に好きな人が出来たからじゃなくて?」
「違うよ、そんな事思ってたの?」
「眞琴がどんどん綺麗になるから、」
もう、この人ってば、そんな言葉何の飾り立てもなく言ってしまう。本当に天然の女殺しだ。それもすごく鈍感な。
「それはきっと、あなたのせいだと思うんだけど」
あたしの言葉に目を丸くした優は、少し頬を染めて、「君ってば、本当」と言って口元を押さえた。

