「あたし、記憶無くなってたんだよ」
と優に言うと大変だったね、と頭を撫でる。それが心地よくて、あたしは身を任せた。すると、優は何か言いにくそうに視線を逸らす。
「なに?」
「ん、ごめんね、眞琴」
申し訳なさそうに謝る優。
「失恋した、って聞いた時、本当はホッとした。だけど顔に出すのは勝手な気がして」
瞳を切なそうに揺らせる。ああ、そうか、あたしったら。
「優、あのね」
「眞琴、ごめん。聞きたくない。君に他に好きな人が出来たとしても僕は君を手放せない」
熱を浮かせたような甘い言葉に、あたしは不謹慎にも舞い上がる。

