「…抱きしめていい?」 優があたしの涙を指先で拭って、愛しさの滲む瞳で見つめた。 「聞く事じゃないでしょう?」 怒ってみせると、 「ごめん」 と悲しそうに眉を寄せる。 この人ったら、本当に、 「抱きしめなさいよ、馬鹿」 優が、弾かれたようにあたしを引き寄せた。 指先が冷たくて、当たった鼻の先が凍える程寒いのに、 「あったかいね」 笑うあなたはどこまでも暖かくて、 「ずっと、ずっと、こうしたかった」 力の篭る腕を振り解く理由なんてない。 ただ、溺れていく。