あたしは藤井眞琴。先月24歳になったばかりの筈で、カレンダーに目を向ければ12月となっているから季節感は間違えてない。職業は看護師。彼氏はいない。イコール結婚した事もなければバツイチである予定もない。しかも26歳。まだ若いじゃないの。だけど空白の二年はどこに消えた。
勿論、すぐに信じられる筈はなかった。だけど、カレンダーの西暦に、買った記憶がない薄型液晶。それにも二年後の西暦が印されてあれば、混乱は渦をかける。
極めつけは、
見慣れないストラップのついた見慣れた携帯。ディスプレイに友人の名前が出たから恐る恐る通話を押せば、
『昨日大丈夫だった!?あんたのバツイチ決起会、あんなに酔わすつもりじゃなかったんだけど、っていうか頭は大丈夫?え?看板に思い切りぶつけたでしょ!一応病院行っときなよ!』
ねえ、これ信じられる?

