「つか、このダンボールまだ整理してないの?バッグどこ?やさぐれちゃうのは分かるけどさぁ、可愛い妹に貸すバッグの居所は明確にしておいてよね」
ポイポイと散らばった服や小物を投げながら(しかもあたしの後頭部にテクニカルヒット)、あたしの可愛い妹らしい結衣は目当てのバッグを探す。
ダンボール?やっぱり夢じゃなかった。
まだ纏まらない意識で、結衣に視線を向ければ、夜会巻きの頭に体のラインがはっきりした上半身がヒョウ柄、ハイウエストの切り替えワンピース。フサフサのティペットでも隠れない無駄にデカイその乳をしまえ。
結衣は記憶のものとあまり違いない。そのワンピースだけは理解出来ないけど。
「ねぇ、なんであたしの部屋ダンボールだらけなの?」
結衣がその答えを持っている気がして気怠く聞けば、結衣は手を止めて、「まだ酔ってるの?」と眉をしかめた。

