立ち止まって動かないあたしをスグルさんは透明な瞳で見つめる。
なんですか!その無垢な表情!
「あたし、行けません!」
「なぜ?」
「なぜって!無理ですって!」
「だからなぜ?拒んでも無理矢理連れてくよ?」
不機嫌に言い放つスグルさん。なんなんだ!なんの罰なの!
「いや!本気で無理です!せめてホテルとか」
ってそういう問題じゃないけど!いきなり自宅はまずいですって!彼女か奥さんがいるでしょ!
「ホテル?何故?ああ、今は誰もいないから気にしないでいいよ」
非常識だ!非常識だこの人!
そう焦って、胸の中で有り得ない!愛妻家っぽいのに!と叫ぶけれど、

