また、恋する


無言が続いて、あたしもスグルさんに話している、というよりも自分に問い掛けているみたいだった。

胸に刺さったままの棘。きっとあたしは元夫さんがすごく好きだった。そう言い切れるのに、横に並ぶ初対面のこの人に恋に落ちる、なんて、いい加減もこの上ない。


いい加減なんてものじゃないかも。完璧な駄目女だ。




視線をさ迷わせれば、スグルさんのリングがそんなあたしを嘲笑うようにキラリと光った。