「なんてゆーかぁ、感慨深い光景だわぁ」
ヤスちゃんがしみじみと呟く。何がよ、とヤスちゃんを見上げると、ヤスちゃんはスグルさんに何かを耳元で話していた。
ヤスちゃんったら、近いから。スグルさんに、近いから!
って、あたしってばヤキモチかよ!何それ、もう!
ブルブルと頭を振ってグラスを飲み干せば、喉を通る爽快な感覚が体を覆って雑念を飛ばしてくれた。
まあ、それでも気になるんだから仕方ない。
あたしは盗み見るように隣の綺麗な男の人を観察する。
甘やかで知的な顔立ち、上品ささえある仕草、微笑は最上級に優しくて誰でも見とれてしまうんじゃないかとさえ思う。
彼を飾り立てるアクセサリーの類は必要ないけれど、その左手の薬指に納まるシンプルなリングもよく似合っている、……って
え、

