『長瀬先輩にかかれば誰でも良い子なんですね(笑)』

長瀬先輩は優しく微笑むと諭すように話した。


『人の言葉で聞いた話や噂は、真実とは違う事もあるから、逆に偏見をもっていると真実は鈍く見えるから、時宗さんの目で見て感じなきゃ駄目だよ』


長瀬先輩と話すと何となく元気が出てくる。


『水無瀬くんと生徒会長とも古い仲らしいから、何かあったら相談してみたらよいよ?』


長瀬先輩に言われると落ち着く、先輩とその後、少し話をして授業に向かった。

古典の授業を受けながらノートに水無瀬賢太郎像をイラストで書く。


話を整理するときに、イラストにまとめて、いつも整理する。


勝手な水無瀬賢太郎像をイラストにする、神経質そうな姿のイラストを書く。


動物に例えるなら、鷹かな?天高く、下界を見据えている感じ。


まぁ・・案ずるより産むがやすしというし―――


とりあえずは、今日の放課後に訪ねてみようか?


色んな噂もあるけど、長瀬先輩の言うとおりかもしれないから。


でも、部活を廃部にするのは、なんか辛いなぁ・・・自分の漫研が無くなったら嫌だしなぁ・・・


そんなこんな考えていたら放課後になっていた。


親友の加々美優希菜(かがみゆきな)と話をしながら、事前に聞いていた部室に向かった。


目的の部室は南校舎の外れにあり、科学部の隣にあった。


深呼吸をしながら、科学考察研究部の扉をあけようとすると、中から煙のようなものが漏れてきていた・・

火事??と思った瞬間に扉が内側から空いて煙り塗れの白衣を着たゴーグルの様な眼鏡を掛けた学生が出てきた。


『ごほっ、、ごほっ』


『火事っ!?』 


青年はゴーグルを外し、咳こみながら答えた。


『いや・・実験をしていて・・失敗した・・』