Snow Song-君といた輝雪-

『俺はいつも凹んだり、悲しいことがあったらこの場所に来て、この東京タワー見てるんだ。これを見てると励まされる気がするんだ』

俺は荷台に雪葉を座らせたまま、自転車を静かに止めた。


そして俺は背中に背負っていたギターケースを地面に下ろし、ギターを手に取った。


『雪葉。2週間後にコンテストがあって、俺はこの曲で…このオリジナルの曲で出場するよ』


そして俺はギターの弦を優しく弾き始めた。


雪葉の事を思って…


雪葉に生きる勇気を与えたくて…


雪葉の涙を笑顔に変えたくて…


俺の全ての思いをこの左手に…


この右手に…


この歌声に…


込めて奏でた。