『だから、あたしには…この優人のヘアピンを…使うことは出来ないんだ。ごめんね』

雪葉は俺に謝った。


『何で…何で…』


『えっ?』


『何でそんな平然としてんだよ!!何で謝るんだよ!!』

俺は拳を握りしめ叫んだ。


『優人?』


『ヘアピンなんてどうだっていいよ。白血病って何だよ…何でそんな病気なのにこんなとこにいんだよ!!』

俺は雪葉に駆け寄った。


そして俺は、俺の上着を雪葉に被せた。


『今すぐ戻ろう。病院に戻ろう』

俺は雪葉の肩に手を当ててそう言った。


『嫌よ!!病院には戻らない』

雪葉は不機嫌な表情を見せた。