Snow Song-君といた輝雪-

あの日から、夏稀が何度も泣いていたんじゃないかって思うたび…俺の胸は凄く苦しかった。


『わぁー、凄い会場!!』

俺の耳に夏稀の声が聞こえた気がした。


会場の入口に目をやると、案の定夏稀と茜がいた。


夏稀と茜は俺たち3人の姿に気付き、こっちに近寄って来た。


『凄い会場だよね』

夏稀が祐輔に話しかけてた。


『だよなー』

祐輔は軽く相槌をうった。


彼氏にフラれた夏稀はいつものように、楽しそうに祐輔や比呂や茜と話していた。


俺はそんな夏稀を壁にもたれながらじーっと見つめていた。


そんな俺に夏稀が声をかけてきた。


『ねぇ、優人。あたし…やっぱりフラれちゃった』

夏稀は淋しげな表情を見せた。