Snow Song-君といた輝雪-

『ねぇ、夏稀と茜は見なかった?まだ来てないのかな…』

そのリカの言葉に俺は反応した。


『夏稀来るの?』


『来るわよ』


『えっ、でもクリスマスは彼氏とデートなんじゃ…』


『フラれたんだってさ。だから夏稀を慰めるために呼んだんだけどね…』

リカはそう言って、さっさとどこかへ行ってしまった。


俺の脳裏には彼氏にフラれて泣いていた、あの夏稀の姿が浮かんだ。


夏稀は結局、彼氏とはよりをもどせなかったんだ…。


俺にとっては好都合な事なのに…


あの泣いていた夏稀を知っているせいか、素直に喜べなかった。


いや…むしろ夏稀の思いを知っていたから、俺は辛かった。