Snow Song-君といた輝雪-

『あれ?君歌い屋なんてやってるの?』

雪葉は看板に気付いた。


『まあね…。歌で何か心が救えるかなーって思って…』


『ふーん。じゃあ、あたしにも歌ってよ?』


『えっ?この前歌ったじゃん』


『別に何度だって良いでしょ!!はい、歌って』

そう言って雪葉は俺の前の雪の積もった地面に屈んだ。


『リクエストは?』


『リクエストねー…死ぬ事がわかってる人間を勇気づける歌』

雪葉はそんなリクエストをしてきた。


俺は正直そのリクエストに驚いた。


『何ですかそのリクエスト?死ぬ事がわかっている人間を勇気づける歌って…』

雪葉の冗談めかしたリクエストが、今は笑けてきた。