Snow Song-君といた輝雪-

出だし好調だなって俺は思った。


だけど、その後は誰も来てくれなかった。


ただみんな足速に駆けて行ったり、カップルで楽しそうに話をしながら俺の目の前を過ぎて行く…。


『ふー、今夜はそろそろ閉店時かな』

俺がギターをしまおうとした時、今世界で1番見たくないものを見てしまった。


俺がふと目をやったその先には、独り涙を零している夏稀の姿があった。


俺は泣いているそんな夏稀を見て、心が痛くて壊れそうになった。


夏稀…。


泣いている夏稀を見て困惑した俺は…


泣いている夏稀を見ないように、ギターを片付けさっさと立ち去ろうとした。


だけど俺は…


『夏稀ー!!』

俺は大声で夏稀を呼んだ。