Snow Song-君といた輝雪-

『何をボケーっとしてるの?』

雪葉は俺に尋ねてきた。


『別に…あなたには関係ないよ』

俺はそう言って、またベンチに座った。


『ふーん、大切なギター失くして機嫌が悪いんだ』

雪葉は何故か俺の事情を知っていた。


『これ、君のギターでしょ?』

雪葉はベンチの上にギターケースを置いた。


『えっ?これは確かに俺のだけど…』


『どうしてあたしが持ってるのか不思議でしょ?』


『どうして?』

俺は何故雪葉が俺のギターを持っていたのか、不思議でたまらなかった。


『昨日君と別れた後、クリスマスツリーの所でゴミ収拾の人たちがこのギターを触ってたの。だから、君のギターじゃないかなって思って返して貰っといた』

雪葉は説明してくれた。