『なーにボケーっとしてるの?』

そう言って考え事している俺の頬に、後ろから誰かが雪の塊をそっとつけた。


『冷たっ!!』

俺は心臓が止まりそうなくらい驚き、サッとベンチから立ち上がり振り向いた。


『また、あんたかよ!!』

そこには雪葉が雪を持って立っていた。


っていうか、俺はすっかり雪葉に対して敬語を使わなくなっていた。


『何の用だよ?』


『あれ?君何か昨夜と態度が違うね…もしかして二重人格?』


『いいえ』


『じゃあ…もしかしてあたしが嫌われてるのかな?』


『えっ…ち、違います』

確かに俺は自分勝手な自己チュー女は嫌いだ…


けどそんな事、本人を前に言える訳がない。