『優人どうしたの?』

そんな俺に声をかけてきたのは、“夏稀(ナツキ)”。


夏稀は頭が良くて、よく気がついて、優しくて、思いやりがあって、家庭的で…完璧な女性だ。


そんな夏稀だから、いつもと違う俺にも直ぐに気が付いた。


『優人の奴、ストリートしてて大切なギターを失くしたんだってさ』

祐輔が夏稀に事情を話してくれた。


『だから、元気ないんだ…探したの?あたしも一緒にもう一度探してあげようか?』

夏稀が俺の事を心配してくれて嬉しかった。


『あーありがとう。でも、もういいんだ』


『もういいって…本当に?でも優人がストリートしてるなんて知らなかったな』

夏稀は俺を見て微笑んでいた。