無視って…おいっ!!


俺は心の中で少しイラっとした。


そんな時、突然雪葉の携帯電話が鳴り響いた。


メールが届いたらしく、雪葉は立ち止まりメールを見ていた。


メールを見終わった雪葉がこっちを向いた。


『あー、ごめん。やっぱ君なんかとご飯を食べてる暇ないや、あたし行かなきゃなんないし…バイバーイ』

雪葉はそう言って俺に手を振り、夜の中へとさっさと消えて行った。


何だよそれ…


結局俺は雪葉に振り回されただけだった。


しかも雪葉が何気なく言った“君なんかとご飯食べてる暇ない”の“君なんか”って言葉…何か凄く腹立たしかった。


あーあ、本当なら今頃気持ち良くギターで弾き語ってたのにな…ギターで…


『あっ!!ギターがない…』

俺はふとギターを持っていない事に気付いた。