「そう、知ってる?栗岩」




「何を?」





「まーちゃんには、好きな人がいるの。3年生の鈴木先輩なんだけっ――」




「知ってる」




急に真面目な顔でそう答えるから…。





私はあっさり諦めることに決めた。




この時点で栗岩くんは、麻衣の事を諦めてなかったなんて…。




早く諦めて私を見て欲しい。





少しでもそう願ってたのに。