「遊には母親が居ません。無論、俺にも居ませんが、遊をちゃんと自分なりに見て来たつもりです。
妹はしっかりしてて、イジメを受けるような子ではないと思ってました。なのに、この呼び出し。
人として、軽蔑します。それと同時に、遊を守ってくれた4人には深く感謝してます」



お兄ちゃんは「ありがとう」と、基槻や舞子ちゃんたちに頭を下げた。

しかし、すぐに視線は葵衣たちに向けられた。



「処分に口出しはしません。学校で起こった事であり、未遂でしたから、警察も必要ない。でも…退学以外の処分でしたら、兄としては、遊を学校に寄越したくない。もしくは、この子たちと同じクラスにして頂きたいです」



私は俯きつつ、校長たちを見た。