私は涙が止まり、ビクビクとしながら、後ろへと振り返った。



「片桐さんでしたか?貴方は子供に何を教えて来たんですか?」



基槻に似た優しい目は変貌し、眉間にシワが寄ってる。

お兄ちゃんはネクタイを緩め、話を聞きながら、私と基槻を見て来た。



「2人は付き合ってるのか?」



そっと顔を近付け、小声で訊いて来る。

私はお兄ちゃんに気まずいながら頷く。



「後で…ご挨拶させて下さい」



基槻の真剣な表情に、お兄ちゃんは「わかった」と基槻の肩に手を置き、微笑む。

どうやら反対はしてないみたい。