優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

「事実確認は校長室でしようか。
来島さん、体操服に着替えていらっしゃい」



「あの……っ」



男たちを連れて屋上を出ようとした教頭。

けど、遊が俺のカッターシャツの裾をギュッとキツく握りながら、教頭を止めた。



「私、体操服…切り刻まれちゃって…」



…は?



「遊、それいつ」



「多分…2、3時間目の間…」



持ち物にまで手を出すとか、どんだけ卑怯だよ。

蛇だけで十分だろーが。



「教頭先生。私のを来島さんに貸しますから、その人たち、下げてくれますか?」



「わかりました」



林が教頭に頭を下げると、男たちを連れて出て行く。

俺は遊の手を握り、安心させるように、上手く出来た自信はないが笑い、屋上を出て、教室へみんなと戻る。