優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

ーーシュッ



「―――ぅお!;;」



俺は足を後ろに振り上げ、剛の顔ギリギリで寸止めした。

サボって、トイレで暴力沙汰…
騒ぎになったら、遊を守る前に、停学か退学。

そんなん、困る―――。

俺はヘイジに「屋上にでも行くか?」と誘われた為、剛の襟元を掴みながら屋上へと行く。



「そういや林は?」



「舞子なら遊ちゃんに会いに行くって」



…いつから呼び捨て?

俺と剛は、一段、上を歩くヘイジを見上げる。



「ま、俺も基槻と同じような彼女が出来たわけよ(笑)
浮気したら大変だな。遊ちゃんがキレそう…」



ヘイジは髪の毛をくしゃくしゃと撫でながら、俺らを見た。

何か簡単にくっついて、つまらなく思う。

不完全燃焼だ。