優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

―基槻 SIDE―



「体育なんだから仕方ないだろ?基槻って、こんな心配性なんだな(笑)」



トイレの手洗い場。

鏡を通して目が合ったヘイジが、俺を見てニヤニヤと笑って居る。

俺だって、人を心配するし。

陽がまだ産まれてすぐの時、熱を出したと聞いて、学校をサボって駆け付けた時もある。

まぁ、子供は元々、熱が高めなのを、姉貴の旦那さんが勘違いして、大騒ぎしただけだったが…。

でも、俺も必死だった気がする。



「……遊は特別なんだよ」



しかし、4時間目が遊は体育で、俺らが美術とか止めて欲しかった。

サボるつもりだが。



「基槻ちゃん、可愛いのね(笑)」



俺がヘイジを睨んで居たら、後ろから剛がふざけながら来た。