優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

「遊――!」



基槻が腰抜け状態の私を抱き締める。

基槻と一緒に来た剛さんは「人が好きな蛇なんだ」と、蛇を鷲掴みにした。



「早く捨ててやれ」



「え、持って帰るから!」



…どうでも良いから、早くしまって;;

私は基槻の肩に顔を埋め、蛇を見ようまいとする。



「はい、もう大丈夫!」



剛さんは蛇をしまったのだろうか、私は安心して基槻から離れた。

半ベソな私の前に、涙を流した痕のある舞子ちゃんが、ヘイジさんに支えられながら現れた。



「始まったな」



ヘイジさんが言った言葉の意味は“イジメ”だ――。

頷いてる基槻と剛さん。

私は舞子ちゃんを巻き込んでしまった罪悪感に潰されそうになる。