「何で笑うの!?」



「手汗なんて気にしねぇよ(笑)
可愛すぎ」



「もう、良いよ;;」



“可愛い”という言葉はどうも
慣れない。

私は基槻から目を逸らした。

蒼い空に、キラキラの太陽。

私は「行こう」と基槻に言われ、空を見上げたまま「うん」と言って歩く。

空が祝福してくれてる。

きっと、おじいちゃんやおばあちゃんが喜んでるんだ。

…ありがとう。

私は空に微笑んで、前を向いた。



「そう言えばさ」



「ん?」



「遊って、女子の中ではデカイと思ったけど、意外と小さくね?」



…基槻がデカイんだよ;;

お互い階段で立ち止まる。

私は一歩下がり、一段、上に立つと、基槻と目線が一緒になった。