「遊が眼鏡してねぇと、俺の理性がヤバい」



「“理性”って?」



「……何でもない。その眼鏡やるから、これからして来て」



「良いけど、基槻は眼鏡なしで大丈夫なの?」



私はコンタクトを、持ち歩き用の小さなケースにしまいながら基槻を見る。

基槻は慣れない私の手に自分の手を重ねながら手伝ってくれた。



「家にもう一つあるし、眼鏡は滅多にしないから」



「そっか。ありがとう。
眼鏡、大切にします!」



基槻からの初めてのプレゼント。

絶対に大切にするよ。

今日から私の宝物。

粗末にしたら、罰(ばつ)が当たるかも知れない。

また基槻が好きなるのを感じながら、私は眼鏡を外し、見つめた。