だから、聞いて下さい――。



「基槻…?」



「ん?」



「わ、私も好きだよぉ゛ー…」



ずっと、ずっと、好きだった。

罰ゲームがなければ、私は基槻と付き合う事、近付く事もなかったと思う。

私の初恋なんだよ。

男と呼べる人は、お兄ちゃんと、お兄ちゃんの親友と中平和人ーナカヒラカズトーさんや、先生としか話した事もない私には、恋は基槻と知り合うまでわからなかった。

お兄ちゃんには、和人さんが彼女が出来るまで、「いざとなれば彼女に貰ってもらえば良い」と言われて来たし。



「ごめんな、遊…」



「基槻が私を好きになってくれたから良いの…」



それだけで良い。

他に何も求めない。