「俺は最初、罰ゲームで遊にコクった」



「うん。電話してる声が聞こえた…」



「でも、ズルいかも知れねぇけど、今はお前が好き」



「…………え…?」



「遊が好きだよ」



そんな事、あり得るの?

ねぇ、神様、今のは夢?

ーーガッシャーン



「は?;;」



「…痛いぃ゛ー…っ」



私はフェンスに頭をぶつけた。

しかも、思い切り。

かなり痛く、これは夢じゃないと確信した。



「ふぇーん…ッ」



私は顔を手で被いながら泣く。



「泣くな…。俺、夢の涙、苦手なんだよ」



基槻は私を後ろからギュッと抱き締め来た。

温かい。

そして、伝えたい。

基槻が今、私を好きで居てくれたら、過去はもう良いよ。

私は、基槻との今を大切にしたいから。