優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】




着いたのは屋上。

私は息が切れてしまった「はぁ、はぁ…」と呼吸を繰り返す。

でも、基槻は普通だし、走って来たわけでもない為、基槻は付き合い出したあの日から、歩幅を合わせてくれてたと気付いた。

…私の事が好きじゃないのに、どうして…?



「……や、俺、遊が好きだし」



「ん?;;」



「声に出てたよ」



「―――だっ;;」



私は両手で口を塞いだ。

今更だけど…。



「あのさ、話したい事がある」



「はい…」



お互いに、もう気付いてる。

私は、基槻が私を好きじゃないって事…―
基槻は、私たちが、自分の罰ゲームで付き合っている事を私が知ってると…―
お互い、わかってる…―――。