優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

枕元にあった携帯がガンッと、音を起てて床に落ちた。

私は慌てて携帯を拾い、「またな」という基槻の声を聞きながら寝たフリ。

バレないかドキドキしながら、部屋に戻って来た基槻の反応を耳だけで疑う。

頭を撫でられた。

ちょっとだけ、ピクッと反応したが、大丈夫そう。

基槻の手は、安心感がある。

繋いだ時も感じた。

繋いだ手は、離れないと信じてたけど、この手もゆくゆくは離れてくんだよね。

どうしたら、つなぎ止めれるかな…?

私はお兄ちゃんに“コンタクトにしろ”と言われた事を思い出した。

コンタクトにして、メイクをして、髪の毛を巻いたら、“見違えた”って、少しでも、私を気に掛けてくれるかな…?