ｰｰガラッ



「遊―――ッ！！」



そんな私の目の前に、突如として基槻が現れた。

息を切らした基槻に、私は涙は止まってたものの、無残な顔を向けてしまった。

頬はビタビタだし、下睫毛だってきっと、下瞼に付いてる。



「泣くなよ―――…」



「も、基槻っ！」



基槻は私をグイッと腕を引っ張って立ち上がらせ、ギュッと抱き締めた。

私が基槻の名前を呼んでもシカトされた。

…心臓バクバクなんだけど。

本来の熱とは別に、基槻の所為で、体が火照る。



「も、基槻…？;;」



私は基槻の肩を押し、距離を少し空けた。

不安と怒りが入り交じった顔をして居て、私はどうしたら良いかわからず、俯いた。