教室に向かい、幸い授業も終わって居た為、自分の席から鞄を取る。



「早退か?」



鞄を背負った俺に、剛が話し掛けて来た。

ヘイジは同じクラスの女を口説いてる。

可愛くもない女を。



「後で話あんだわ。電話する」



「よくわかんねぇけど了解!」



俺は剛に見送られながら教室を出た。



「深川君!」



「あ?わりぃ。忙しいからまた」



片桐葵衣に話し掛けられた。

どうせ告白だと思い、俺は遊を優先する事に。

後ろめたさはある…―
けど、会いたいんだ…―

遊に、会いたい…―――。

絶対に、手離さない。

自分で仕出かした事は、
自分で片付ける。

遊を誰にも渡さない為にも。



―基槻 SIDE END―