優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

ーーガンッ



「深川?おい、深川――ッ!!」



俺は椅子を倒す勢いで立ち上がり、教室を飛び出す。

古文担当のおっさんが叫んでたが、気にしない。

あのイケメンは、遊の何だ?

…遊は俺の女だろ!?



「は…?」



今、俺は何を思った?

で、遊は何でイケメンに抱き締められてるんだ?

…意味、わかんねぇよ。



「あら、深川君。どうしたの?
授業中でしょう」



俺が下駄箱に凭れて突っ立って居ると、村内が現れた。

村内は白衣のポケットに手を突っ込み、「保健室に来る?」と、俺を誘う。

俺は素直に従うと、冷たい麦茶を出してくれた。



「はい。深川君、何か顔が怖いわよ(笑)」



…だったら何で、笑ってるんだ?

俺は、自分のデスクに座った村内を見る。