優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】

「病める時も、健やかなる時も――…」



「誓います」



基槻の声が、チャペルに優しく響き渡る。

私も誓える、基槻との永遠。

病める時、健やかなる時も。

基槻だからこそ、誓える。

だからね、神じゃなく、お兄ちゃんに言うよ。



「誓います――…っ」



この恋のスタートは罰ゲームだった。

でも、笑われちゃうかも知れないけど、わざと負けてくれた基槻には、凄く感謝してる。

そうじゃなきゃ、私たちは付き合って居なかった。

小さい頃に、基槻と出会ってたなんて、知らずに生きてて、無難な付き合いをして、結婚して子供を産んで、生涯を終えてた。